◎劇場版・灼眼のシャナ

★★★☆

 どこまで総集編なんだろうかと心配になるくらい親切設計。余分なキャラを排除したおかげで、TVシリーズと比べても特にわかりにくいということはなかったんじゃないだろうか。だいぶ悠二を取り巻く環境がカットされたことで川澄の役割は平井ゆかり@浅野真澄の親友ぐらいしかないはずなのに、悠二への気持ちの部分がカットされなかったりと、切りきれない不自然さが感じられたかも。
 後半は人形好きヤローとの戦いの焼き直し。自分としてはテレビシリーズよりわかりやすかった気もする。フレイムヘイズの倒し方とかはわかりやすかったけど、街を使った目的はいまいち見えにくかったかも。全力でバトルしてたせいで、後半は悠二がほぼギャラリーで、本当にその場でできる最低限のことしかしてないというのも、主人公=視聴者としていまいちすっきりしないところかもなぁ。悠二は、シャナに必要とされ、シャナに「悠二となら何でも出来る!」と言われる段階になってはじめて、フレイムヘイズたちの戦いの輪の中に入れたと思うわけで、この段階ではまだ悠二は傍観者という立ち位置という要素の方が強くて、この映画だけでは目の前のピンチを何とか乗り切っただけの話に見えなくもないかも。「で、これからどうなるのん?」(わくわくしているという意味ではなく)ぐらいで、だいたい話の導入はわかったから、テレビシリーズ見てみるか、とか、ラノベ読んでみるか、という感じになっちゃって、ひとつの映画としてどうなんだろう? というのが正直なところかも。
 テレビシリーズのファーストシーズン最後の「劇場版制作決定」から期待した内容とはだいぶ遠い作品にはなっちゃったかな。別に最終話の映画を作ってくれるということではなかったという意味で。